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さてさて、謎の白い液体とは? [アニメ]

 プルケ。

 別に謎でもなんでもないので華麗にスルー。

 さて。まどか☆マギカの放送終了の熱気覚めやらぬわたくしでございます。
今宵中部地方での放送も終わり、紳士協定を律儀に守って今日まで内容を
伏せていたわたくしも、なにがしか久方ぶりに書きたくなってしまいました。

 まずはよい物語の終わりを見せていただけたことを喜んでおります。1時間
半に及ぶ連続視聴になって、まるで劇場作品を見ているような緊張感の連続が
大変よろしゅうございました。どちらかというと平素から録画したものを
まとめて見たり、ソフトでまとめ見したりする習慣があるので、連続劇の
ような物語もこういったまとまった形で見られると意識の流れを途切れさせる
ことなく内容が頭の中に入って来やすく、個人的にはありがたくありまして。
その中でいくつか思ったことをまた述べてみたく思います。





 劇中で、「神にでもなるつもりなのか」と白い詐欺師が言っていたのを
受けて、「まどかさんは神になった」と捉える方が多いようなのですけれど、
どちらかというと全能の神ではなく、ヴァルハラの巫女とか地蔵さまのよう
なものになったのではないかな、とわたくしは感じました。末期の息を引き
取る際の赦しの存在、とでも申しましょうか。善悪の二面を抱えて常に葛藤
を繰り返す人間という生き物には、最後に赦しを与えてもらえる、という
ひとつの保障のようなものがあるだけで、心に安全弁を設けられるものです。
いえ、死ねばなんでもチャラ、ということではなく。善きことをこころがけ、
努力してもなお完全にはなれず、道半ばであったとしても、悔いたり呪いを
残したりすることはありませんよ、貴方の成して来た事は誰も見ていなかっ
たのではなくお天道様がずうっと見てます、と信じられるだけで、人は明日
を恐れずに正しい道を進むことが出来る生き物なのですから。





 考える余裕を与えずに利点を畳み掛けて説き素早く食い逃げ、は
詐欺師の常套手段です。魔女システムの場合、契約者が熱心になれば
なるほど交戦の機会が増えて死期を早めるし、一度奇跡に味を占めた
らもう一度何か起きないかという期待と高揚感に酔ってしまい、現実
との落差にいつか気付かされ絶望を深め魔女になります。実に詐欺師
に都合がよく作ってあるわけですね。相手に反撃しようにも、それに
は考える時間もなく死んじゃうんですから。思春期の少女を契約対象
に選んでいたのは感情の揺り幅が大きく、精神エネルギーが効率的に
採集できるから、とインキュベーターは説明していましたが、実は
人類の反撃が怖かったのを誤魔化していたのかもしれません。判断力
も経験も知恵も未熟で、自信もなく自我だけは強く詭弁に騙されやす
く信じやすい、という、思春期に我々人類が等しく抱える弱点を
見事に突いた戦術だとも考えられます。

 思春期の思考は、両極端です。潔癖か、悪徳完全肯定か、どちらか
一方に思いつめがちで、中庸を許しません。現実と向き合ってゆき、
経験を積むと、その時その時、それはそれ、これはこれ、といった、
割り切りと限界の見きわめが出来るようになって来ます。できなかっ
たことがあれば反省し、悔いたら次に生かす気概。次がないかも!
とその瞬間にベストを尽くすことは大切ですが、駄目だと思ったら
どこまでで止めるか、を見極める判断能力が人生においては必要な
ものです。が、とかく思春期病になるとひとつの終わりが全ての
終わり、としか思えなくなるものです。だから、その先を考えない。
他の可能性を考えない。実に、インキュベーターに都合がいい。
だからこそ、ほむらさんの「トライ&エラーをする努力」によって
最終的にはその詐欺システムを崩されたのかもしれません。

 10話の過去の話から何度か劇中で描写されていた、「まどかさん
とほむらさんの身長差の逆転」、が、実に印象的です。第11話では、
まどかさんを感極まって押し倒ゲフンゲフン*抱きしめるほむらさんが、
膝を折ってもまだ頬と頬を寄せるのに余って上から抱く形になる姿
が描かれていましたね。時間巻き戻しまでの期間が最長で一回1ヶ月
ですから、身長が十数センチも成長する年月を考えると例え成長期
であることを鑑みたとしてもそら恐ろしいものがあります。繰り返
したその年月÷1以下(ケースによっては最悪1週間も使わない
可能性もありますし)ですから、最低でも24回以上、数え切れない
程の地獄を見て、、身体上の実年齢は高校生半ばくらいまで来て
いるのかも知れません。それ以上に、ワルプルギスの夜を物理攻撃
で倒す為の手段を探し、ほむらさんは現実社会の表裏をくまなく
あたって、それだけの間社会勉強していたことになります。一足
飛びどころかロケットに乗って大気圏を突破しかねない勢いで、
必要に迫られて大人の階段を昇ってしまったわけですね。

 インキュベーターの魔女システムの存在できる第一条件として、
「大人の不在」、があります。ほむらさんが若者なりの独習と努力
で抵抗を繰り返し、大人である両親の助言によってまどかさんが
解法を見い出すまでの時間を稼ぐことに成功したことによって、
今回の最終決戦で万全とは言えずとも最大の問題を解決することに
成功しましたが、実は「インキュベーターの理屈に負けないだけの、
社会経験のある対等な大人」が存在していたならばもっと早く解決
できたかも知れません。そう、例えば、インキュベーターの社会
システムを知る、別の宇宙人のような。宇宙警察機構のようなもの
があれば最善なのですが、残念ながらあの世界には、魔法少女は
いても宇宙刑事や光の国の宇宙警備隊員は来てくれませんでした。
正論を使った詭弁に対抗することができない未成年、社会と契約
の概念が理解できないものが相手だからこそ成立するのですよね、
あれって。





 白い詐欺師が11話で言っていた「家畜を殺す罪」、は、人が所詮
どんなに高尚な事をのたまっても自然社会のうちの動物の一種類で
ある、ということから逃れられないことから来る、生きる為に食べ、
殺すことの必要に因っています。

 でもあの詭弁をようく聞いてみて下さい。決して騙されないように。

 私達は家畜を食し、最終的には殺す為に繁殖させてはいますけれども、
同じ人間同胞を食する為に殺すことを、善きこととはしませんよね?
実例があった、そういう習慣もあった、という世界のどこかでの歴史を
引用される方もいらっしゃるでしょうけれど、なぜそれが地球人類の
全体の主流となっていないのかもう一度ようくお考えあそばせ。社会
システムを構築し、お互いを利用しあうことによって他の生物よりも
長じてこれだけ繁殖してきた生物なのです。他者を食うこと、とみに
同じ種族を食うことばかり考えていては、野っ原の犬畜生と変わりが
ありません。人間は、考える力があればこそ人間なのです。ドライな
見方をすれば、廻り回って自分の利、力になるから、という打算で、
本能的に人類の同胞を保護する部分もあるのでしょう。それ以上に、
その考える力、想像する力こそが、人類が畜生より優れている点で
あったのではないでしょうか。そういう意味では、同胞・同属殺しや
同胞食いはシステムとしてあまり芳しくない失敗例として、歴史の
中に刻まれているとも言える気がします。戦争や差別による人殺し
や搾取の第一歩は、階級や土地の境界線などの「何らかの差異」を
決め付けて境界線を引き、相手を人間ではなく畜生扱いする心理を
作り出すところから常に始まるわけですし。

 つまり、種の生存の為に、人間は人間を保護する本能があるのです。
社会システムという生態を保護するために。それを脅かす相手には、
猛然と反撃します。自然災害にも。生活を脅かす生き物にも。なれば、
インキュベーターがこちらを家畜とみなせば、当然ながら反撃します。
彼らはそれが恐ろしかったからこそ、契約と称しながら仕組みの説明
を極力省き、騙し通そうとしたのでしょう。そして、未熟な未成年
ならば正論に潔癖な反応をして反論ができなくなる、とわかった上で
高圧的に脅しをかけた、というのが実のところじゃないかと。

 まあキュウべぇさん、まどかさんのご両親同席の上で、その理屈を
言ってごらんなさい?と思ったわたくしなのでありました。






 そして最大の詐欺行為はこれじゃないかと思うんですのよ奥様。
ジャッジメントですの。まあそれはおいといて。またありもしない
憶測をしてみましたのよお姉様。

 インキュベーターは自分達の種族には感情がない、とのたまって
おりましたけれども、嘘っぱちでしょアレ。

 後に「あったとしても精神疾患の一種としてみなされるね」と
言い訳をしていましたが。ってことは、あるんですよね?感情が。
ないと標榜すれば都合がいいからそううそぶく。超人志向に陥り
やすい思春期で中二病の子は割と「信じたいから信じちゃう」
フレーズですけど。善悪を超越した、とか、絶対の善だから何を
誰にしてもいい、みたいな理屈をこねる大人って、確実に詐欺師
ですよねそれ。ていうか詐欺師の「絶対に儲かるから!」とか、
「利益のためには犠牲が大きいほうがいいんですよ」とかいう
詐欺師の理屈に必ずおまけについてくる「非情は美徳」を標榜
する俺カッコイイ!的な自己陶酔と自己欺瞞ですわよね、それ。

 だって、騙す、ということは、「恐れ」がある、ということ。
恐れの源を断ち、安心を手にする為に行動する、ということは、
安寧と幸せを知っている、ということ。

 ヤー公が遊び友達や身内には何もない時には優しいを通り越し
てベタ甘で甘えんぼな態度を取るのに、他人には金とか見得が
絡むと畜生にも劣る行動を笑いながらやるのと一緒でしょ?
インキュベーターさん、仕事だから顔の使い分けしてるよね
絶対。やーねぇ裏表が激しい人って。





 稀代の宇宙詐欺師種族について色々と考えてみたことを書き
つらねてみましたが、いかがだったでしょうか。まどかさんは
最終回までキュウべぇさんと物理的には戦いませんでしたが、
契約を悪用する相手に契約の条項の範囲内で戦い、なんとか
辛勝する、という結果を収めました。それも、大変な犠牲を
強いられて。全てを取り戻すことはできませんでしたが、今後
同じ犠牲が出ないように根本とされるものの歪みと戦うという、
行政裁判や国家裁判のような辛い戦いに勝利したのだと思います。
人生を投げ打ちシステムそのものと戦う。大変な悠木ゲフンゲフン*
勇気ある行動の物語だったと感じました。

 最後のシーンは人類が滅びただのと言う人がいますが、単に
ほむらさんの最後の決戦を描いただけなのじゃないかと思います。
時間と空間の狭間で、別れのときにまどかさんは言ってました
よね?「また、必ず会えるから」、って。インキュベーター式
魔法少女システムが残念ながら人類の歴史に深く食い込んでいた
ためにやむなく残されざるを得なかったので、まどかさんは
最後の「赦し」を与える天使となって魔女になる呪いを解く
役割を果たす存在となりました。すなわち、「最後の時には
必ず会えるけど、それまでは会えない」ことになるわけですね。
なんという辛い再会の約束の言葉でしょうか。その時に備えて、
ほむらさんはまどかさんにやれるだけのことはやった、と胸を
張って言えるように、と、交わした約束忘れないで走り続けて
戦って戦って戦い抜いていたのでしょう。その、最後の戦いを
描いたのが単純にあのシーンのような気がします。普通ならば
生き延びられない程の間、魔法少女として少女ですらない年齢
まで戦い続けて、物理的な魔法エネルギーの受容限界を超えて、
魔法少女ではいられない程の状態になったほむらさんが、最後
にできるだけ多くの魔獣を道連れに、できれば他の魔法少女に
当分の心配が無くなる程一掃しようと考えたとするならば。
大きな破壊を伴うことは自分でも解っていたでしょうし、人気
のない場所を選んで魔獣を誘導し、暴れるだけ暴れて自らの
尽きかけた命と引き換えに有り余る魔法エネルギーを有効に
使い果たすつもりだったように思えます。

 キュウゲフンゲフン*旧システムであったら最悪の魔女になって
しまうような歪みのエネルギーを抱えて、覚悟を決めて荒野に
望むほむらさん。まどかさんの声が聞こえた、ということは、
おびき寄せた魔獣の群れとの戦闘には勝利できたとしても、
もはやそのエネルギー全開状態で戦っては命がない、という
ことなのでしょうか。なんという炎のさだめ。むせる。

 それでも、まどかさんの声を聞いたほむらさんは、口元に
笑みをほころばせ、決意を新たにして最後の決戦に臨みます。
何者をも呪うことはない。魔女にならない。まどかがいるから、
安心して行ける、と。

 こうして考えてみると、わたくしには立派なハッピーエンド
に見えたりします。世界のどこかで一人の異能生存ゲフンゲフン*
特異点の魔法少女が戦いを終えますが、でも世界のどこかで、
そこかしこで、魔法少女達の戦いが続いています。一人の命が
尽きようとも、世界が終わりを告げるわけではない。世界を
巡る戦いは続き、人々の暮らしは続いてゆく。そういう根本を
揺るがしてしまうような事件をまどかさんが解決したのであり、
全てを知る暁見ほむらさんはその「普通の中の一つ」に戻って、
一人の魔法少女として終わりを迎えられる幸せに浴した、と。
そういう見方で、どうでしょうか。

 大分まとまりなく長くなってしまいましたが、またもやあり
もしない事をあれこれ考えて楽しくなれましたのよお姉様。
実によい物語でございました。

 私は言いたい!ありがとう、そしてありがとう、と!

 えっ?




 11話で繰り広げられた総火力戦を見ていて、これタイトルを
「武装少女あけみ☆ほむら」に変えても違和感ないよね、とか
大変気になりました。ていうかほむらさん準備しすぎ。



 【 次回、装甲騎兵ほむほむ。神に抗うのは、煉獄の虜囚なり。】




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