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自然保護などおこがましい。 [雑記]

 今日、仕事中に実際に見ましたよ。

 「すずめを空中捕食するカラス」

 以前から自然科学関係の雑学知識で、天敵のいなくなった
カラスが次々に亜種化して来ているという説を聞いてまして。
あるものは小型の鳥類や小動物を捕食し、あるものは水辺で
カモメなどに混じって魚を好んで食しているのがよく見られる
ようになっている、という現象があるといわれてましたが、
よもやそれを本当に自分の目で見るとは。

 いやもう見事にスパッ、とあのでっかい嘴で器用に首根っこ
のところを空中でとっ捕まえて、それから歩道の上に急降下。
足を使って体を押さえつけながら首を捕まえなおして、息の根を
止める様は恐ろしげにさえ見えました。

 よくよく考えて見ると、今、都会を中心にカラスが大型化を
してるんですよね。羽を広げると幅60cmオーバーなんてザラに
いたりとかほとんど大型猛禽類並なわけだし。たまに至近距離
まで飛び寄って来られると、思わぬ大きさに圧倒されます。

 単種の生物がその群れが好む食生活や生活環境から徐々
に種の枝分かれを起こし、その生活スタイルに適応した形に
自らの体を変形させる、というのは進化の基本中の基本。
つまりわたくしめは今、急激に新たな進化を遂げつつある
生物を目の当たりにしているということなのですよね。これは
ちょっと感動的ではありませぬか。

 今はカモメなどを脅して魚を奪っている群れも、そのうち
自分で魚を取るために浮けるようになり、水かきを生やして、
海カラスや川カラスに。生きた餌を好む肉食種は嘴が曲がり、
鈎爪が大型化してタカガラスやトビガラスに。植物を好む
カラスはそのうちフルーツガラスに枝分かれするのでしょう。

 博物学のうち自然科学や考古学を見ていると、自然保護と
いう言葉がばかげて見えることがあります。ある生活環境に
特化した究極の形態の生物は、結局そこで進化のどん詰まり
にぶつかって、わずかな環境の変化にも耐えられず絶滅して
しまいます。バージェス化石群の生物たちや大型化した爬虫類
(恐竜)のように、うっかりすると進化の枝がほぼ根こそぎ
消えうせる可能性もあるわけですよね。

 そしてそこには、変化したとはいえ自然環境があるわけで。
残されたものの中で新たな変化に適応できたものがのさばって、
その様々な資産を同じように利用するべく枝分かれして、環境
ごとに変化した形となって散ってゆく。そうやって新たな多様
性が生まれるわけです。

 レッドデータブックには消え行く動物が人間の確認・分類
できた範囲で記されていますが、新たに生まれつつある生物が
次々とその隙間を埋めてゆくことは記されないでしょう?

 カラスを実例に取りましたが、おそらく鳥類以外でも同じ
ようなことが身近に起こっている気がします。放置された野犬
や野良猫が人里以外で生活しはじめて、小型獣化しているとか。
そのまま少しづつ体格が変わって、狼や山猫が占めていた空白
の環境を埋めるのでしょうね。あとクマネズミがテリトリーごと
に亜種化するとか。草食生物だと何がそうなってるんでしょう。
カモシカや猪などは割とたくましく適応してるようですが。

 人間が自然保護だ動物保護だと叫ばなくても、自然の方は
もっともっと逞しく、そしていつまでも私達を脅かす存在で
あり続けるものなのですよ、きっと。今いる見馴れている生物
が姿を消すのは悲しいことだけれども。なぁに奴らのほうが
遥かにタフなんですから。そのうち巨大なゾウネズミや獰猛な
二ホンチワワ、ハクトウオオガラスやシロナガスイルカなどが
生まれて来るに違いありません。

 そのうち「鳥人間コンテスト」が文字通りの意味になったら、
わたしたち人類はその頃果たして生き残っているのか。とても
気になります。
 
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